ブログ

blog

ファーマーカワハラのエッセイ「晴耕雨読」3月26日2021.03.26

桜の歌特集、今日は第3弾(最終回)です。

花の色は 移りにけりな いたずらに

わが身世にふる 眺めせしまに

古今和歌集に載っている小野小町の歌です。「美しく咲き誇っていた桜の花びらも色あせてしまった。そして私の若さも美貌もすっかり衰えてしまった。桜の花を眺めて物思いに耽っているうちに」という解釈です。さらに一歩踏み込むと「あなたのことを思い慕っているうちに、恋が実らないまま私の若さも美貌も衰えてしまった」と恋の憂いを詠った歌でもあります。はかなくも散る桜の花に、自分の衰えた若さや美貌を重ね合わせた歌です。絶世の美女と言われた小野小町でさえも・・・という感じです。時を刻むということは、時に残酷なことでもあると思いました。

記事の一覧へ